活動記録

Report

<課題研究>
第1回近畿地区SGH課題研究発表会 参加

The 1st Kinki Area SGH Research Presentation Meeting

2016年3月21日 | 関西学院大学

March 21, 2016 | Kwansei Gakuin University

第1回近畿地区SGH課題研究発表会 参加

第1回近畿地区スーパーグローバルハイスクール校・SGHアソシエイト校課題研究発表会において、1名が英語による口頭発表、3組4名がポスター発表を行いました。口頭発表では3人の先生方から講評をいただきました。また、ポスター発表では大学の先生方や一般入場者の方から質問をいただきました。

この発表会は、3月21日に関西学院大学で行われました。本校2年生は、課題研究「探究」の最終発表を2月中旬に開く「千里フェスタ」で行います。この発表の後、さらに一歩完成度を高めて発表し、また、校外の方にコメントをいただける貴重な機会になりました。

4組のタイトルと発表の要旨は以下のとおりです。

「ファストファッションを支える下請け工場の実態」
(英語による口頭発表・国際文化科2年中島さん)

労働問題に取り組むNPOが中国にある日本の衣料品メーカーの下請け工場に潜入調査を行った際の報告書とこの報告書が出された5ヶ月後に発行されたこの衣料品メーカーが発行したCSR活動のPR誌から、実態が公表された後どのような改善がなされたかを読み取った。その結果、報告書からは、労働者たちが排水で溢れているなどの過酷な環境の中で働いていること、時間外労働が異常な長さであることがわかった。そして、PR誌からは、これらの問題は改善されたことが伺えた。また、報告書の中で取り上げられていた罰金制度についてPR誌では触れられていなかったため、罰金制度の問題点を指摘する。今後他の企業で罰金制度は取り入れられているのか調べたい。

「『なでしこ銘柄』を選定することによる社会への貢献とは何か」
(ポスター発表・国際文化科2年武藤さん)

日本の女性の就業率は国際的に低い基準にある。私は有能であるならば男女問わず雇用するほうが企業の利益になるのではないのか、また日本での女性の雇用が増加すれば世界にどんな影響があるのかということに疑問を感じ、「なでしこ銘柄」という女性雇用促進の取り組みと社会への影響について調べることにした。仮説として、「なでしこ銘柄」を選定することにより、女性の活躍推進と企業の業績を可視化し、「ダイバーシティ・マネジメント」を促進させる効果があるのではないかと考えた。これによる社会への貢献とは、性別・年齢・国籍・障害の有無・職歴や経歴を超えて能力を発揮できる仕事につけることだと言えると考える。

「共働き夫婦の男性の育児休暇の取得率を上げるにはどうすればいいか?」
(ポスター発表・国際文化科2年西村さん秋田さん)

現在日本では、産後育休を取る女性が多くなってきている。しかし、男性は育休を取れる環境にも関わらず取らない人が多い。諸外国と比べてもその差は歴然としており、どうすれば共働き夫婦の男性は育休を取るようになるのか疑問に思った。インターネットを利用し.諸外国の育休事情について調べた結果、スウェーデンやノルウェーなどの国で、「パパクオーター制」という制度により男性が育休を取得する家庭が多くなっていることがわかった。以上により、私たちが出した結論は、この北欧の国々の政策を参考にして、日本政府も課題解決のために介入すべきであるということだ。今後は政府が具体的にどのような政策でこの課題に介入していくべきなのかを調べていきたい。

「フィルムツーリズムとエコツーリズムの両立は可能なのか」~ジブリ作品の舞台を例にして~
(ポスター発表・国際文化科2年松井さん)

近年日本を「観光立国」にする動きが活発化している。この動きの中で、映画のロケ地を訪れるフィルムツーリズムとエコツーリズムツーリズムは対極にあると考えられている。本研究ではスタジオジブリから「もののけ姫」・「崖の上のポニョ」の作品の舞台を例にして、フィルムツーリズムの問題点を調べ、エコツーリズムの観点から解決策を探った。考察の結果、観光客増加が引き起こす環境破壊や観光地としてのインフラ不足による住民の負担といった問題は、エコツアーを普及させ、さらに徹底した観光地づくりを行うことで解決されると考えられる。したがって2つのツーリズムは両立できる、というのが本研究の結論である。