活動記録

Report

<特別プログラム>
SGH夏季フィールドワーク研修

Summer Fieldwork

2017年8月1日~3日

August1~3,2017

SGH夏季フィールドワーク研修

地元大阪にある国際問題を知るため、とよなか国際交流協会・コリア国際学園・大阪茨木モスクを訪問し、お話をうかがいました。全体を貫くテーマとして国際人権について学習し、最後にグローバルリーダーが持つべき資質とは何かを考えました。 In order to learn about global issues happening in Osaka, students visited Association for Toyonaka Multicultural Symbiosis, Korea International School and Osaka Ibaraki Mosque. They also learned about International Human Rights as the main theme of this three-day seminar and thought what are the necessary abilities Global Leaders should have.

1. 対象

国際文化科1年の希望者

2. 実施日時

2017年8月1日〜3日の3日間

3. 実施場所

とよなか国際交流協会・大阪茨木モスク・コリア国際学園・本校図書室

4. 位置付け・ねらい

  • 意欲の高い生徒が少人数だからこそできる現場訪問に行く。
  • 経験を協働作業でまとめる経験をするとともに、クラスに持ち帰る。
  • 国際問題が地元にも存在することを実例を通して知る。
  • どこでも誰にでも保障されるべき人間としての権利(国際人権)を理解する。
  • 地元の実践家との出会いを通して、自らの生き方について刺激を受ける。

5. 実施内容

1日目:とよなか国際交流協会にて

  1. 金ハリム氏(ヒューライツ大阪職員)による参加者のアイスブレーキング
  2. 山野上隆史氏(とよなか国際交流協会事務局長)によるワークショップ『在日外国人の現状ととよなか国際交流協会の活動』
  3. ネパール出身の府立高校生2人から『外国にルーツを持つ若者の声を聞く』
  4. 朴君愛氏(ヒューライツ大阪研究員)によるワークショップ『権利の選択』と講義『国際人権とは?』

写真1
「権利の選択ゲーム」を通して様々な権利を学んだ。

写真2
ネパールから来日し日本の高校に通う2人から経験を聞いた。

2日目:

  1. コリア国際学園(茨木市豊川)の教室をお借りし、山根絵美氏(大阪大学人間科学研究科大学院博士後期課程)による講義「イスラム教入門」
  2. 大阪茨木モスク(同)を訪問し、イマーム(モスクの指導者)によるイスラム教紹介とモスク見学
  3. コリア国際学園にて、都裕史校長先生による講演「『越境人』をめざすコリア国際学園」 と在校生の佐藤さん(3年)による講演『写真を使った私の社会活動』

写真3
モスク訪問前にコリア国際学園の教室をお借りして、研究者からイスラム教の基礎知識を学んだ。

写真4
モスクの指導者イマームから説明を受けた。

写真5
コリア国際学園の都校長から設立経緯を教わった。

写真6
コリア国際学園の在校生の佐藤さんから写真を使った社会活動の経験を聞いた。多くの生徒が刺激を受けた。

3日目:本校の図書室にて

  1. 金ハリム氏によるワークショップ『人権を身体で学ぶ〜 Privilege Walk』
  2. 朴君愛氏による講義『再び国際人権について』
  3. グループワーク『グローバルリーダーに必要な資質とは?』
  4. レポート作成(クラスでの報告に使うスライドと原稿をグループで分担して作成)

写真7
アクティビティー:『なりきりPrivilege Walk』。与えられた役割を思い描き、読み上げられた行動を支障なくできると思ったら1歩前に進み、支障があると感じたら1歩下がる。バックグラウンドによる有利不利を体感した。

写真8
哲学カフェのスタイルでアクティビティーで感じたことを共有した。

写真9
再び国際人権について学び、アクティビティーの意味を確認した。

写真10
3日間の経験を元にグローバルリーダーが持つべき資質と能力をグループで考えた。

6. 指導上の工夫

  • 国際人権についての学習を、最新のアクティビティーを取り入れた体験型のものに変更した。
  • コリア国際学園のご協力で、在校生との直接対話が実現した。

7. 参加した生徒の声

  • ずっと世界のことについては好きだったけど、今まであまり人権や、社会的に弱い立場となってしまう状況にある人々に目を向けたことがなかった。けれど、詳しく実際に体験した人や、活動に参加している人の話を聞いて、世界的な動きで人権をどんな人にも保障することが大切だと分かりました。
  • イスラームのことを知ることはとても大切だと感じました。自分の勝手な先入観で、イスラームは○○と決めつけていました。相手のことを知る前に、勝手な先入観を持つと新たな差別につながる、イスラームは他の宗教と何も変わらない、平和を願っている宗教なのだと感じました。
  • 佐藤さんが話していたフィジーでの留学体験の話を聞いて思ったのは、私たちが知っていることだけが必ずしも全てではないということです。テレビなどでよく取り上げられている良い面だけでなく、貧困などの大変な面にも目を向けることが大切だと思いました。
  • 同じ高校生が、写真展など開いていて、とても刺激を受けました。私も彼女のようになりたいという気持ちになりました。
  • 外見ですべて判断せず、まずはコミュニケーションを取ったりして、相手を知ることが大切だと学びました。
  • しっかり事実を知り、その上でマイノリティの人と共存し公正な社会を作っていくことが大切だと思いました。
  • もっとたくさんのことを恐れずに挑戦していこうと思いました。また、自分の興味のあることを国際貢献に活用できたら良いなと思いました。

8. 担当教員の振り返り

  • コリア国際学園の在校生から社会活動を実際に行なっている話を聞かせていただいた。これは非常に参加生徒への影響が大きく、かなり多くの生徒が刺激を受けたと書いていた。人との出会いが実際の行動に移す生徒が生まれる契機になると確信した。
  • 体験型の学習は、やはり心に残るようだ。引き続きアジア太平洋人権情報センター等から優れた活動を紹介していただき取り入れていきたい。