<特別プログラム>
国際文化科1年「国際理解」特別授業(2)『多様な立場から社会課題を捉える』
Special Lesson (2) | 1st-year students
2017年9月20日、21日
August 20 and 21, 2017
1年生科目「国際理解」の2回目の特別授業では、「西淀川の公害問題解決の軌跡から多様な立場と合意形成について学ぶ」をテーマにしました。あおぞら財団の栗本知子氏のファシリテーションにより、ロールプレイを用いた授業を進めていただきました。 The theme of the second special lesson for the first-year students was to understand the differences of positions and to learn how to seek a consensus through the past experiences in combating environmental pollution in Nishi-Yodogawa, Osaka. Ms. Tomoko Kurimoto from the Aozora Foundation facillitated the class using role-playing.
1.対象
第1学年 国際文化科160名2.実施日
9月20日、21日3.位置付け
- これまで取り上げた国際的な課題から、地元で実際にあった事例に意識を向ける。
- 引き続きグループ活動を中心に据え、後期の「探究基礎」の学習につなぐ。
4.ねらい
- 国際問題が地元にも存在することを実例を通して知る。
- 利害調整が必要な問題を解決の難しさを知る。
- どのように異なる立場にいる人を想像し意識を向けるべきかについて、体験を通じて学習する。
- 地元の実践家との出会いを通して、自らの生き方について刺激を受ける。
5.実施内容
①形 態
「国際理解」の授業で, クラス単位で各1時間②講 師
栗本知子氏(公益財団法人公害地域再生センター「あおぞら財団」研究員)③指導上の工夫
- ロールプレイを活動の中心に据え、この活動において、合意形成のプロセスの中でどんなことが起こるのかを感じることが重要であることを強調する。
- 振り返りを書く際にこの部分に焦点をあてる設問を用意する。
④指導の流れ
(1) ロールプレイ開始前に合意形成が目的であることを確認する。
(2) 初めは各役割の立場を表明する内容のシナリオに沿ってスタートする。
(3) シナリオが最後まで行ったら、自分の立場ならどう発言するかを想像しながら合意形成を目指して話し合う。
(4) 講師は話し合い時間終了後に各グループでの様子を聞く。他の生徒にも伝わるように、アイデアや行き詰まった点を拾い上げながらコメントしていく。
(5) 最後は、活動を振り返り、役割を離れて自分はどう感じたかを言語化する。
※詳しい手順は、栗本さん作成のこちらのPDFをご覧ください。
6.受講生徒の声
- 公害の被害は、直接的な被害者だけでなく、加害者となってしまった企業に働く人たちにも大きな影響を与えてしまうことが印象に強く残った。
- どちらかが悪いというわけではなく、どちらも生活に関わっているという問題だったので難しかった。
- みんなが他者の意見をしっかり受け入れ、考えた上で、自分の意見を主張していくことが大切だと思った。
- 自分がなりきることで他人事ではなく、身近に感じることができた。
- 大阪に住んでいたけれど、西淀川の公害問題について知ったのはここ最近(の事前学習において)。過去があっての現在なので、もっと環境について考えていきたい。
- 今までは、歴史や公民の授業で公害があったという事実だけしか知らなかったが、いろんな立場があることがわかった。