活動記録

Report

<特別プログラム>
SGH夏季Glocal Fieldwork研修

Glocal Fieldwork Summer Seminar

2019年7月29日~31日

July 29〜31, 2019

SGH夏季Glocal Fieldwork研修

地元大阪にある国際問題を知るため、とよなか国際交流協会・コリア国際学園・大阪茨木モスクを訪問し、お話をうかがいました。全体を貫くテーマとして国際人権について学習し、最後にグローバルリーダーが持つべき資質とは何かを考えました。 In order to learn about global issues in Osaka, students visited Association for Toyonaka Multicultural Symbiosis, Korea International School and Osaka Ibaraki Mosque. They also learned about International Human Rights as the main theme of this three-day seminar and thought what are the necessary abilities Global Leaders should have.

国内にもグローバルな課題の相似形と言えるものがあります。

この研修では、初日は在日外国人の生活支援を行う「とよなか国際協会」,2日目は大阪大学の学生を信者の中心とする「大阪茨木モスク」と、在日韓国・朝鮮人を主体としながらも国籍にかかわらず生徒を受け入れ国籍を越えて考え活動する越境人の育成をめざす「コリア国際学園」を訪問しました。

参加した生徒は,人との出会いを通してふだん知る機会の少ない地元の国際問題を学習しました。

最終日の会場は本校の図書室でした。午前中は,アジア太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)職員の講義とファシリテーションにより,国際人権についての基本となる知識と考え方、それに,グローバルリーダーが持つべき資質について学び,考え,発表しました。

最終日の午後は,学習したことをクラスで紹介するためのプレゼンテーションスライドと読み原稿をグループで分担して作成しました。そして10月に開講された「探究基礎」の最初の時間に各クラスでこの研修の報告を行ないました。

研修の内容と様子を紹介します。

1日目 <会場:とよなか国際交流センター>

  1. アイス・ブレーキング:「他己紹介」のために自分を話す、耳を傾けてもらう
  2. プログラムと趣旨の確認
  3. アクティビティーと講義「国際人権入門」
  4. とよなか国際交流協会の事業紹介・ペルーから来日したボランティアの体験を聞く
  5. 今日のふりかえり

他己紹介:自己紹介ではなくパートナーについて他の人に紹介しています。

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何を捨てるか? 大切にしたい権利を考えるワークを行なっています。

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とよなか国際交流協会スタッフから同協会が行なっている外国人へのサポート事業について説明を受けています。

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ペルー出身のボランティアスタッッフから,来日後の経験とボランティアスタッフとしての気づきについて話してもらいました。

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毎日最後は振り返りの時間を持ちました。

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2日目 <会場:コリア国際学園・大阪茨木モスク>

  1. 講義:イスラム教入門
  2. 大阪茨木モスク訪問:イマーム(モスクの指導者)によるイスラム教紹介
  3. コリア国際学園(KIS):在校生によるKIS紹介・千里高校生による哲学カフェ紹介・KIS校長による講演「『国籍』への思い」
  4. 今日のふりかえり

モスク訪問の前にイスラム教研究者の山根絵美氏からイスラム教の基礎知識と日本でのムスリムの生活について講義を受けました。

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大阪茨木モスクでイマームと信者の方からイスラム教の教えとモスクでの活動について話していただきました。

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コリア国際学園(KIS)校長の金正泰先生から在日外国人としてのご自身の経験そして国籍というものへの思いを話していただきました。

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KISと本校の3年生が本校1年生の席の中に分かれて入り,ファシリテーターとして「ミニ哲学カフェ」を進めてくれました。

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KISの玄関で記念撮影です。

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3日目 <会場:千里高校図書室>

  1. アクティビティで考える「多文化共生社会」
  2. グループワークと発表:3日間を振り返って考える「グローバルリーダーが持つべき資質とは?」
  3. フィードバックと講義「国際人権について再度考える」
  4. グループに分かれて研修レポートの作成+アンケート記入

NPO法人KARALINから,李ぽんみさんを講師に迎え,多様性と差別について考えるワークショップをおこなっていただきました。

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3日間の経験を元に,グローバルリーダーが持つべき資質と能力をグループで考え,発表してもらいました。

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最後にヒューライツ大阪の朴君愛氏から世界人権宣言の意味を再確認していただきました。

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参加者の声を紹介します。

Q1 あなたの「世界」は,どのような点で広がりましたか。

  • 自分の決め付けがなくなったと思う。イスラム教だから,朝鮮人だからではなく,前に立っている人を1人の人間として見極めることが重要だと思った. そういう点で世界が広がったと思った。
  • 今まで知らなかった宗教や人権のことを学べて知識が増えたという点でさらに広がった。
  • 国籍に関する問題で,在日の人が抱える問題について本人の声を聞いたからこそ, 改めて理解ができたし, 自分は何人なのかということについても深く考えさせられた。
  • 私はずっと日本人であることに何の疑問を抱くこともありませんでした. でも, いろいろなお話を今回聞いて, 「私の当たり前, 普通っておかしい」と気付くことができたなと思いました。

Q2 あなたが「生きて行く上で勉強になった」と思うことはどんなことですか。

  • いろいろな枠で区切って考えがちだけれど, それはその人のことを理解することを放棄しているに等しいということ。
  • ひとつの考えやマスコミの偏った報道に流されてはいけないこと。
  • 自分の見ている世界は本当に一部でしかないこと。
  • いろいろな考え方や価値観を知ることができたこと。イスラム教のことをあまり知らなかったので, 直説詳しく話を聞くことができたこと。
  • 日本には沢山の外国人や外国にルーツを持つ人がいること。

Q3 グローバルに活躍する人が備えるべき資質について,あなたの考えを書いてください。

  • 多様性や文化を理解できる. 豊富な知識を持つ. 自分の意見を持ち, 話せる。
  • 様々な人と積極的に関わり, さまざまな視点から物事を捉えることができること。
  • それぞれの立場になって考えることができ, お互いを理解し合うことができる人.
  • 物事を多角的に見ることができる視点がある人。知ること, 無知を認めることを恐れない人。ひとくくりにして考えることをしない人。知ろうとする人。